制作裏話

セラフ1期無事に終了しました!

こんにちは、吉岡です。

セラフの最終話が放送されました。
パブロでは、背景スタッフがそろって観賞しましたよ(^^)!

初美術監督として終わりのセラフに携わり去年の7月から準備を始めて今年の6月中旬まで、とにかく走りきってあっという間の一期でした!
秋山さん、美術監督補佐の藤井さん、パブロの背景スタッフ、フリーの背景様が、
熱をもってかっこいい背景を描いてくれたからこそ、セラフ一期が乗り越えられたと思っています!

去年の夏にセラフの美術の方向性を、徳土監督とコンセプトデザインの品川さんと打ち合わせをした時にお二人から話された、

「世界=背景を、荒々しく陰影を効かせて描きたい」
「何を見せて何を見せないかを整理して、描くことではなく描かないことを重視したい」

このビジュアルコンセプトの元、セラフ美術の方向性を固めていきました。

まずは何枚かラフボードを描いていき、、すこしづつ方向性を固めていきました。
私の机の横の壁に描いたラフボードを貼り付けて、こっちの方がいいかな・・と迷ったり
何か自然現象を使って絵が描けないだろうかと悩んだり・・
ボードの空部分だけ描いてはさみで切り、ボードにくっつけたりして試行錯誤を続けました。

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そして、固まったセラフの美術の方向性は、

●大胆さと繊細さの要素を入れること。(力強さ、激しさは相反する繊細さでより際立つ)
●パレットナイフを使って、画面に大胆な変化や荒々しさを表現する。
●モデリングペーストを使って、ざらざらした質感表現や荒々しさを表現する。
●画面の中に描く所と描かないところを作る。
●画面の中に原色の色やタッチを入れる。
入れる基準は、その場面の心情にあった色で表現する。(悲しい時なら寒色系など・・)
●ボケ表現を積極的に使う。

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こちらは作業に関わるスタッフに配布したデータです。
プリントアウトして各自机周りに貼って作業をしていました。
ここで描かれているボケ表現はパソコンでぼかしたのではなく、手描きで描くときにぼかして描いています。
パソコンで描く背景が主流の最近では珍しい表現ですが、デジタル的なぼかしとは違った雰囲気がだせます。
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そして、一枚目のボードを描きました。

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このボードはセラフ本編には出ていませんが、自分の中ではこの一枚からセラフの美術が動き出したので
思い入れのある一枚です。

そして、荒廃した渋谷の全景も描きました。

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パレットナイフでざっくりとタッチを入れると、それだけで画面に大胆な変化マチエールが出て画面がしまります。
画面の手前の方には、モデリングペーストを使っってざらざらした質感を出しました。
ここまで荒廃していると、ビルも人工物ではなく自然物の様に描けて楽しかったです。

一話の放送後、Twitterの感想等を覗いてみると、背景美術のことに注目してくださっていて
嬉しかったです。
すごく励みになりました!

私の次のブログ記事では、制作工程写真も交えながら紹介できればと思います!

そして今週のブログは最終回放送直後ということで、美術スタッフの藤野さんのブログも連続公開しています!
この記事の下に続いています、こちらも是非ご覧下さい!