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制作裏話

TVアニメ『ブサメンガチファイター』の美術について

こんにちは、松村です。

弊社で美術を担当させていただいた、現在放送中のTVアニメ『ブサメンガチファイター』で美術監督を担当させていただきました。

 

今回は、作品の見どころや、美術の特徴などを書いてみようと思います。

ブサメンガチファイターとは!!

ブサメンは、いわゆる“異世界転生もの”で、主人公があえて「ブサメン」を貫くことで圧倒的なステータスを得て「絶対神」になるという設定です。タイトルのインパクトに反して、物語はコメディとシリアスが共存していて、個人的にはこの落差がとても面白い作品だと感じます。
・「異世界でもブサメンを貫く事で膨大なステータス」
・「絶対神」
という強いコンセプトが、他作品との違った大きな魅力だと思います。

美術でやりたかったこと

物語の「コメディとシリアスが共存する」点を活かし、あえてデフォルメのきいたかわいい雰囲気にすることで“かわいさ × シリアス”で違和感を設計できないかと考えました。

“いわゆる異世界転生もの”に括られやすいからこそ、あまり見ない方向性で美術のスタイルを決めました。

参考にさせていただいた作品として「ユニコ」や「不思議の国のアリス」が挙げられます。
どちらも非常にレベルの高い、かわいらしいデフォルメされた世界が魅力の作品です。

大胆にデフォルメした作品を担当した経験も少なかったので、とても苦労しました。
2000年代以前くらいの作品は参考になる作品が多く、いつか真似してみたいと思っていたので、これを機に好き勝手やらせていただきました笑

本作は“ゲームの中の世界”が舞台。これを最短で伝える視覚記号として、画面上にランダム配置される四角いエフェクト(ピクセル状のノイズ/欠片)を配置しました。「作り物の世界だ」という違和感を、意図的に画面に残すのが狙いです。

 

とくに第1話は、現実世界からはじまり、途中でゲーム世界に転生してくる構成になっているので、現実とゲーム世界の対比がとてもわかり易くなっているのではないかと思います。

苦労したところ

苦労した点は、デフォルメと情報量の取捨選択で、細かい描き込みをするのではなく、面の取り方や形のおもしろさで画面が持つように考えるところでした。
デフォルメは、モチーフ自体の形にとらわれすぎず、どこまでなら「そのモチーフ」だと伝わるかを考えながら描くことが難しかったです。
逆に、その絵でほしいと思う形に変形できることが利点であり、面白さでもありました。

おわりに

苦労したことも多かったですが、自分の裁量で自由にやらせていただき、とても楽しい作品でした。

今回は、社内チームに加え、社外の皆様の尽力が中心となって成り立った現場でした。ご尽力いただいた各背景会社の皆様と、フリーランスの皆様、パブロの皆様に何度も助けていただきました。
へんてこなスタイルの作品だったと思うのですが、真摯に取り組んで頂いたことに心から感謝いたします。

また作品を一緒に作ってくださった他セクションのスタッフの皆様、本当にありがとうございました。

今週は第8話の放送です。楽しんでご覧いただければ幸いです。

TOKYO MX/サンテレビでは8月24日(日)23:30から。
作品情報・最新の放送/配信スケジュールは公式サイトと公式Xをご確認ください。

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