こんにちは、嶋田です。
今年もあと2週間足らずになりましたが、
年明けから作業してきた「終わりのセラフ」もいよいよ来週最終回を迎えます。
俯瞰(ふかん)を描くときに気をつけていること
私は2期に入ってからは、他作品との兼ね合いもあって全面的には
関われなくなってしまったのですが、そのせいもあってか、
俯瞰の引き画を任される事が多くありました。
この絵は1期のものです。
引き画のときは特に、空間の広さや距離感を出すことに注意しています。
画面が平均的にならないよう、描き込み過ぎに気をつけています。
画面の隅々までまんべんなく描き込むのでは無く、ポイントとなる部分を強調し、
それ以外の部分を省略するようにしています。
手前と奥の色の強さ、変化を強調するよう気をつけています。
画面全体のバランスを崩さないように気を配ることが大事だと思います。
この絵では、下に落ちた高架の道路の割れ目や、三角形のビルの立ち上がった感じを
強調する為に画面中央付近にポイントを作りました。
画面の端のほうは、少し抜き気味に描いています。
セラフはベースが手描き背景なので、画用紙にレイアウトをトレスしてから描くのですが、
主だった建物や道路などをトレスするだけで、細部は直接資料等を見ながら描いていました。
トレスする線はこの位の描き込みです。あまり描き込んでいません。
トレス時に大事なことは、描きはじめる前の準備段階なので、資料や画像などをよく見て
頭の中で出来るだけはっきりした完成のイメージを固めることです。
引き画に限らずですが、早い段階で完成画のイメージを固めることは
描き進めて行く上で迷う時間を減らし、なるべく真っ直ぐ完成に向かう為に大事です。
そのことが仕事の効率にもつながりますし、なによりも
絵の鮮度を落とさない結果につながります。
俯瞰の引いた画となると、まったく同じアングルの写真や資料がない限り
イメージを固めることは難しいですが、似たような画像を複数見て
組み合わせたり、現地に行って雰囲気を感じたりしながらイメージを固めていきます。
ちなみにこの写真は、上でご紹介した俯瞰の画を描く為、休日にサービスエリアまで行ったときのものです。
このようにいろいろな工夫をしながらイメージを固めて描いているのでした。(^^)